JaCALSとは何ですか?
JaCALSは、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の発症や進行などに関する臨床的、遺伝的な因子を明らかにすることを目的とし、将来の治療法開発へつながる成果を生み出すことを目指した研究組織です。
ALSとは、全身の運動ニューロンが特異的かつ進行性に脱落をきたす神経変性疾患であり、現在のところ病因は全く特定されておらず、治療法もほぼ皆無の疾患です。
しかし、近年では、新しい治療法として、各種神経成長因子、ビタミンB12大量療法、フリーラジカルスカベンジャーをはじめとする薬剤の臨床試験が始まろうとしています。
このような臨床試験を推進する上で、日本におけるALSの自然歴(どのように病気が発症するか、どのように病気が進行するかなど)を把握することは、きわめて重要ですが、現在まで日本における自然歴調査は、後からカルテや医師の記憶に頼った不正確な後ろ向きの検討が行われたのみで、始めから調査項目を設定して行う正確な前向きの調査がありませんでした。
そこで、私たちJaCALSでは、日本におけるALSの自然歴の把握、病態や病気の原因解明の一助となる遺伝子解析、将来新規治療法開発につながる遺伝子バンクの構築などを目指し、厚生労働科学研究費補助金特定疾患対策研究事業神経変性疾患に関する調査研究班(神経変性班)および厚生労働省精神・神経疾患研究委託費による研究班関連施設において症例の収集を行い、遺伝子解析研究を神経変性班施設および東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センターにおいて、前向きの自然歴調査、遺伝子解析を行うことを始めています。
また多くの患者様や協力者様、研究者のご協力をいただき、今までに数多くの業績があがっております。